ミニ真空管アンプの製作ミニ真空管アンプ(PCL86-UL)の製作春日無線変圧器さんを訪れたとき、皮張りのシングルアンプの実演をしていました。クラシック(オケ)が流れていましたが、なかなか存在感のある音です。 店長さんに話を伺いましたら、このアンプは以前キット販売していたPCL86のUL(擬似ウルトラ・リニアバージョン)とのことです。 回路図はこちら PCL86革張シングルアンプ もうひとつの違いはPG帰還を無くした回路となっており、f特をカマボコ状の特性にし、BGM(どちらかというとジャズ向き)向けにチューニングにし、聴き疲れしない音を狙っているのだそうです。 ということで、その音の心地よさと、価格の魅力に惹かれ、さらに真空管(PCL86)の使いまわしも出来るなぁ~と考え、シャーシ無しの主要パーツセット(電源トランス、OPT、チョーク、真空管)を買って帰りました。このアンプの製作記事がラジオ技術、2009年5月号に掲載されています。 1.シャーシ設計 シャーシのCAD図です。先日製作したKT66アンプに雰囲気がそっくりです。(^^; 2.シャーシ加工 CAD図を基に、シャーシ加工を行いました。 シャーシは寸法120×180×50mmのS8(リード製)です。 春日無線変圧器さんに展示してあったPCL86(UL)アンプは皮張りですが、 私はステンレス張り+サイドウッドにしてみました。 3.部品の実装 ミニアンプの部品実装(組み立て)です。 4.内部の配線 ミニアンプ(PCL86-UL)の内部配線です。極力メッキ線で処置したつもりです。箱が、かなり小さかったせいか、KT66アンプの時よりも面倒です。 部品の間隔などで、きわどい場所があったり、半田ゴテが届かなかった場所があり、部品(ボリュームなど)を取り外しながらの作業でした。 そして、配線をチェックし、POWER-ON!各所の電圧を測定します。 ふぅ ~~ 煙はでなかった...(笑) 5.試聴 完成したアンプの寸法ですがCD1枚+1/3位のスペースです。 このアンプにはちょっとした仕掛けをしました。写真からLOW-BOOSTと示されたスイッチがみえますが、先日のブログにも書いた、低音ブースト回路が組み込まれています。 低音を+3dB増幅...というよりも、低音以外の周波数帯を-3dB落としています。 最初はオリジナルの回路通りです。PG帰還もオーバーオールNFBも無いためでしょうか?、伸び伸びした印象です。ジャズはいいですね~ でも、クラシックには、ちょっと荒削りな印象をもちました。 もう少ししっとりした音に改善できないかと思い、PG帰還を掛けてみました。聴いた印象では、こちらのほうがクラシックにはいいです。 シャーシ表面をステンレス張りにした効果かな?真空管の灯りが反射して、いい雰囲気です。 6.ミニアンプ改造 オリジナル(PG帰還が無い状態)の音が伸び伸びしたサウンドだったこともあり、スイッチで切り替えられるようにしてみました。やはり、PG帰還なしのほうが、ジャズをもっと楽しく聴けるんじゃないかと思っての改造です。 結果は、やはり、少し荒削りですが、ピアノの音は、さらに艶っぽく聴くことができます。 このアンプは、PG帰還有り、無しにかかわらず、ちょっと小ぶりな音ですが、立ち上がりが良く、今まで聴いていたPCL86アンプに比べると、今回のアンプ(UL接続)のほうが、音に躍動感があります。 今ではいちばん、このアンプで聴いている時間が多くなった気がします。電気代節約のため??....(笑) 最終的な回路図です。PCL86UL回路図.pdf (58.6K) 7.ミニアンプの特性 10kHz方形波ですが、割と素直な特性だと思います。 LOW-BOOSTスイッチにより、低音以外の周波数帯を-3dB下げています。 自作の正弦波オシレータが100Hzもだせるようになったことで、100Hzのデータも付け加えました。超小型OPTの限界(シングルもその理由)ですね!、最大出力が0.6W程度となっています。 8.試聴したCD このなかで、秋吉敏子渡米50周年日本公演「ロング・イエロー・ロード」は、ピアノとサックスがいい音で聴けました。渡米50周年というと秋吉敏子さんは何歳になるんでしょうか?、それにしても彼女の演奏はエネルギッシュです。 クラシックでは、チョン・キョンファのバイオリンが際立っていました。 9.このブログのミニ・アンプ関連の日記 ミニアンプの設計 ミニアンプシャーシ加工 ミニアンプの部品を実装 ミニアンプの内部配線 ミニアンプの試聴 ミニアンプの特性 ミニアンプの特性(その2) ミニアンプ改造 HOMEへ戻る ジャンル別一覧
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